家でも政治でも
ジェンダー平等!
この作品はElana MannとHoneyhands、明日少女隊とのコラボレーション作品です
2018年のアメリカの中間選挙と2019年の日本での参院選へ向けて、明日少女隊は、オンラインマガジンのHoneyhandsと、ロサンゼルス在住の彫刻家Elana Mann(エラナ・マーン)とのコラボレーションとして、選挙をテーマにしたグラフィック作品と、日本とアメリカの女性やLGBTQコミュニティーを取り巻く政治の状況を伝えるウォールテキストを制作しました。
作品は、ロサンゼルスで開かれたElana Mannの個展で展示されたほか、日本のパリテ・キャンペーン(PARITÉ50/50(パリテ))のなんばでの街宣でも使用していただきました。
〜2018年から2021年をふりかえって〜
この作品を作っていた当初は、アメリカはトランプ政権で、日本は安倍政権でした。
2018年のアメリカの中間選挙では、私たちが支持していた民主党が圧勝し、多くの女性議員が選出されました。そして、2020年の大統領選挙でトランプ氏はバイデン氏に敗れ、2021年にバイデン政権が発足しました。
一方で、この作品を作るきっかけになった2019年の日本の参院選では、多くのフェミニストが野党共闘を支持しましたが、自民党の圧勝に終わりました。2020年、安倍首相が体調不良となり辞任し、安倍氏の意向を引き継いだ菅政権が誕生しました。政権は新しくなったものの、残念ながら、大きな政治的な変化はなく、女性蔑視的な思想も引き継がれたままです。
2021年のジェンダーギャップ指数では、日本は120位でほぼ横ばいだったのに対し、アメリカは53位から30位へと躍進しました。政治分野での女性の割合が大きく左右していると言われています。一人一人の声、 一つ一つの選挙の結果が、その後の国運命を握っているのだと実感しました。(2021)
選挙に行こう!
“みんな、選挙って行ったことある?
日本では18歳から選挙権が与えられる。今年の7月には参院選があるんだけど、今年は行こうと思ってたりする?
最近ニュースでは、日本での女性議員の比率が193カ国中165位という、世界でも最下位レベルだということが報道された。”
honeyhands のこの作品についての記事より(2019)
展示の様子 (LA)
Photos: エラナ・マーン個展での、コラボ作品の展示の様子(ロサンゼルス):the exhibition Elana Mann: Instruments of Accountability at Pitzer College Art Galleries (September 29 – December 8, 2018).
ウォールテキスト作品の翻訳
日本とアメリカを
つなぐものは?
女性蔑視の指導者と、
父権的な政治文化
「家でも政治でもジェンダー平等!」
2017年の11月、熊本市議会の女性議員の緒方夕佳さんは、生後7ヵ月の赤ちゃんを議席につれてきました。すぐに議長の澤田昌作が立ちはだかり赤ちゃんは強制的に議会から出されました。
日本では、利用できる保育所が足りないため、多くの女性が政治で、職場で、母親になったときに困難に直面します。
さらに、安倍政権下で女性の権利はますます脅威にさらされています。
自民党が日本国憲法の改憲を発案しており、そこにはジェンダーの平等を保証する24条の改訂も含まれているのです。
改定案には「家族は社会の基礎的な単位である」や「家族は互いに助け合わなければならない」と主張する文言が入っています。これは女性の価値を家族の枠組みの中だけに限定し、LGBTQのコミュニティの自由と社会からの承認を奪おうとするものだと多くの人が考えています。
”A Women’s Place in the House and the Senate.”「女の場所はhouse(家庭、下院の意味も)、そして上院だ」という言葉は、テネシー州の国会議員アンナ・ベル・クレメント・オブライエンの1976年の選挙活動でのスローガンでした。この言葉遊びで文頭におかれている「女の場所は家庭だ」という表現は、元はギリシャの悲劇詩人のアイスキュロスのものです
アイスキュロスは紀元前467年に『テーバイを攻める7人の将軍』の中で「女を家庭にいさせよ。そして彼女らの居場所を守らせよ」と書きました。
女性の権利とLGBQTIの権利はトランプ政権下で周到に侵害されつつあります。
もうすぐアメリカで最高裁判所の新しい裁判官が任命されるのにともなって、女性のリプロダクティブ・ライツ(性や生殖に関する権利)は重大な局面に立たされています。この役職の新しい候補者はロー対ウェイド事件をくつがえす票を投じるだろうと予想されています。
それによって中絶の権利が制限され中絶がしにくくなるうえに、女性の健康と性や生殖に関する権利に対する世論の見方にも影響します。すでにアメリカ政府は、雇い主が健康保険プランに避妊をふくめなければいけないという要件を削減しました。
またトランプ政権はLGBTQIコミュニティを保護する反差別法の廃止に着手していて、トランスジェンダーの人が軍に入隊するのを禁止しました。
望まない政治を変えるには、一人一人が声をあげることが大事です。私たちは、日本とアメリカの政治にジェンダー平等を取り戻すため、活動を続けます。
関連記事:
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PARITÉ50/50(パリテ)主催の大阪なんばでの街宣
私たちのプラカードを使用していただきました。ありがとうございます!
PARITÉ50/50(パリテ)キャンペーンとは:
議会をパリテ(男女半々)にして、女性や、ケアに関わる人、LGBTQsがもっと自由に生きられる、多様性のある政治を目指すキャンペーンです。
こちらに、街宣でのスピーチの文字起こしが掲載されています。
みんな、あなたの1票を欲しがっています